時間をかけて生み出されるもの
- Kyoko Iwai
- 2021年11月21日
- 読了時間: 2分
忙しない日々が日常となってしまった私たちの暮らし。インスタントにパッとできることや、同じ時間をかけるなら少しでもたくさんの仕事や大きな結果を求めがち。
時間をかけて熟成するもの、例えばウヰスキーとかワインなどは、それこそ自然の働きが必要とする時間サイクルを無視することはできません。
使い捨て文化が日本全国を席巻して久しく、そこには時間をかけることへの敬意はありません。どんどん消費してどんどん新しくする。このような暮らし方はどこかおかしいぞと気づいた人たちもたくさんいるけれど、全体としてはまだまだこの消費一辺倒の傾向が続いているように見えます。こうした傾向は、アメリカ文化の影響が大きいのだろうと信じていました。その発信源であるアメリカで、細かな細かな手仕事で時間をかけて丁寧に作り出されたレースの数々を目にしたときに、ハッとしました。それはアメリカの黄金時代(1865年南北戦争終結から世界恐慌が始まった1929年まで)のもので、レースは金よりも価値があるとまで言われたその重みに圧倒されました。無数の作業工程、無数の技術、無数の人々の労力などが蓄積されて初めて生まれるレースが体現しているのは単に美しいレースというだけではなく、その時代そのものであり、その時代の人々の生きた証のようなもの。そのレースに込められた「思い」が伝わってくるようでした。(Flagler Museum - Palm Beachにて)





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